「スーパーの朝って、何時から始まっているんだろう?」
そんなふうに思ったことはありませんか?
シャッターが閉まった静かな店内で、スーパーの朝はすでに動き始めています。
特に精肉部は、朝が早い部署の一つです。
「朝から肉を切っているだけなんでしょ?」
そう思われるかもしれません。
しかし、開店前の数時間には、その日一日の売場や売上を左右する大切な仕事が詰まっています。
今回は、精肉担当の朝の裏側を紹介します。
最初にするのは、昨日の振り返りと今日の情報収集
精肉担当の一日は、エプロンをつけて包丁を握ることから始まるわけではありません。
まず確認するのは、昨日の売れ方と今日の情報です。
「昨日は何が売れたのか」
「何の商品が残っているのか」
「今日は晴れか、雨か」
「気温は高いのか」
「特売やイベントはあるのか」
こうした情報をもとに、「今日、何を、どれくらい作るか」を考えます。
お肉は生鮮食品です。
作りすぎれば売れ残りにつながり、少なすぎれば、お客様が買いたい商品を用意できません。
売場を充実させながら、作りすぎも防ぐ。
この見極めが、朝一番の大切な仕事です。
朝の売場と在庫を確認する
計画を立てたら、前日の売場や冷蔵庫の在庫を確認します。
売場にはどの商品が残っているのか。
原料はどれくらいあるのか。
商品の状態に問題はないか。
実際に自分の目で確認しながら、今日作る商品の量を最終調整します。
開店と同時に、お客様に十分な品揃えの売場を見ていただけるよう準備を進めます。
一つの塊肉から、何を作るか
精肉の仕事は、一つの塊肉からさまざまな商品を作り出します。
例えば、豚ロースなら、しゃぶしゃぶ用、生姜焼き用、とんかつ用、味付け肉などに加工できます。
同じ豚ロースでも、商品によって必要な厚さや使う量は違います。
今日の天気や曜日、特売内容、過去の売れ方を参考にしながら、どの商品にどれくらい振り分けるかを決めていきます。
肉を切る技術だけでなく、売れ方を予測し、商品を組み立てる力も精肉担当には必要です。
スピードと段取り、そしてチームワーク
商品が決まったら、肉を加工し、パックに詰め、値付けをして売場に並べます。
しかし、開店時間は決まっています。
限られた時間の中で売場を完成させるためには、「何から作るか」「誰がどの作業をするか」という段取りが重要です。
精肉部の売場は、一人では作れません。
社員やパートスタッフがそれぞれの役割を担い、声を掛け合いながら準備を進めます。
一人ひとりの仕事がつながり、開店時間までに売場が完成します。
開店したら仕事が終わるわけではない
無事に開店を迎えても、精肉担当の仕事は終わりません。
午前中の売れ方を確認し、お昼や夕方に向けて商品を追加します。
「ロース肉が少なくなってきたから、追加でスライスしよう」
「夕方に向けて、切り落としを目立つ場所に移そう」
「おすすめの商品があまり売れていないから、売場を変えてみよう」
売場の状況は、一日の中でも変化します。
そのため、「朝に作って終わり」ではなく、一日を通して売場を見ながら、「今、何が必要か」を考え続けています。
おわりに
スーパーの精肉担当の一日は、ただ肉を切ることから始まるのではありません。
「今日は何を、どれだけ、どう売るか。」
それを考えることから始まります。
昨日の売れ方を振り返り、天気や曜日を確認する。
売場や在庫を見ながら、商品の数量を決める。
一つの塊肉を、さまざまな商品に加工する。
仲間と協力し、限られた時間の中で売場を完成させる。
そして、開店後も売れ方を見ながら、売場を変え続ける。
精肉売場に並ぶ一つひとつの商品には、開店前からの計画と、多くの人の仕事が詰まっています。
次にスーパーの精肉売場を見かけたときは、その商品の裏側にある工夫やチームワークを、少しだけ思い出してみてください。

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